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安上がりデッキ強化案−アラーラの断片編

 安上がりデッキ強化案では、「レアはそりゃ強いよ。でも高くて手に入らないよ」という方に向けて、比較的安価で入手可能なコモンやアンコモンの中から「単純にカードパワーの高いカード」「環境に適した対策カード」「入るデッキを見つけるか作れば活躍できそうなカード」を紹介します。
 今回はアラーラの断片のコモンとアンコモンからカードをピックアップしてみたいと思います。

 まずはカジュアルで遊ぶには十分なパワーを発揮するカードからです。

カジュアルパワーカード−コモン

 まずは単色のカード。

《茨団のヴィーアシーノ/Thorn-Thrash Viashino》
 序盤に出した弱いクリーチャーを2体ほど生け贄に捧げるだけで4マナ6/6トランプルが完成する強力なアタッカーです。トランプルに緑マナが必要ですので赤緑が最適ですが、赤で考えても大きいサイズのクリーチャーが手に入るのは嬉しいはずです。
 後半出番の無くなるクリーチャーは意外と出てくるものなので、きっと食べるクリーチャーにはそれほど困らないことでしょう。

《圧倒する咆哮/Resounding Roar》
 クリーチャーを手軽に強化できる基本モードに加え、試合が長引いたときにサイクリングで+6/+6できるので、突然巨大になった攻撃クリーチャーが相手に止めをさしてくれるはずです。使いやすさが魅力なので、ナヤカラーのビートダウンなら採用するとよいでしょう。

《アニマのドルイド/Druid of the Anima》
 2マナで手軽に3色を提供してくれるマナクリーチャーです。《極楽鳥/Birds of Paradise(10E)》のようなレアがなければ、ナヤカラーや赤緑、緑白での利用価値は高いはずです。

《ガルガンチュアンの贈り物/Gift of the Gargantuan》
 ライブラリーを上から4枚見て、その中からクリーチャーカードと土地カードを1枚ずつ選んで手札に加えることができる、なかなか強力なドローカードです。土地1枚だけやクリーチャー1枚だけしか手に入らないときもありますが、そのときは残りをライブラリーの下に移動させるので次からのドローに期待できます。

《野生のナカティル/Wild Nacatl》
 1マナでペナルティ無くそのうち3/3になれるというのはすばやいデッキにとっては理想的な1ターン目のクリーチャーです。スタンダードだと2ターン目に《不屈の自然/Rampant Growth(10E)》か《生い茂る成長/Lush Growth(ALA)》を使わないと3/3になれないのでここに位置していますが、土地−森・平地といったタイプを持つカードがあるエクステンデッド以降での可能性を秘めています。

 続いて2色。混成カードと違って色マナが複数種類必要な分、強めの効果が期待できます。

《器用な決闘者/Deft Duelist》
 2マナ2/1先制攻撃被覆なので、序盤の攻撃・防御に大いに活躍してくれます。被覆があるために強化もできませんが、対象を取らない能力である賛美を使えば後半も活躍できるでしょう。

《潮の虚ろの大梟/Tidehollow Strix》
 2マナ2/1飛行接死という優秀なアタッカーです。アーティファクト破壊で死んだり、タフネス1という問題点はありますが、飛行は序盤から最後まで役に立ちますし、接死は後半ブロッカーに回るときに便利です。

《荒廃稲妻/Blightning》
 手札を2枚捨てさせつつ、ついでに3点のダメージをプレイヤーに与える邪悪な呪文です。効率的にはなかなかよいので、かみ合うデッキを考えてみましょう。

《枝分かれの稲妻/Branching Bolt》
 プレイヤーにダメージが与えられないのは難点ですが、クリーチャー除去と考えれば優秀です。1体のクリーチャーに3点ダメージを与えるインスタントの時点で及第点ですが、相手が地上クリーチャーと飛行クリーチャーを出しているときに使って2体除去できるのは強力です。

《切り裂き隊の壊し屋/Rip-Clan Crasher》
 2マナ2/2速攻の、赤緑という色にかみ合った序盤のクリーチャーです。《切り裂き隊の壊し屋》、《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang(SHM)》、《猪牙のしもべ/Boartusk Liege(SHM)》とつながると気分がよさそうですね。

 そして3色カードです。色拘束がさらに高まるのでそれに見合ったパワーが手に入ります。

《ケデレクトの忍び寄るもの/Kederekt Creeper》
 3マナ2/3とやや控えめのボディですが、2体以上でないとブロックされないため、クリーチャーをどかす手段の多いこの色ではかなりブロックされにくいです。そして注目は接死を持っている点で、2体でブロックされたときに1点ずつダメージを振り分ければ1枚のカードで2枚のクリーチャーを除去できることになります。
 大型クリーチャーに対するブロッカーとしての活躍もありますので、除去呪文をあまり持たない色では処理に困ることでしょう。

《腐肉団/Carrion Thrash》
 5マナ4/4の安定ボディは主力クリーチャーとしての貫禄十分です。さらに死んだときにマナを払って墓地のクリーチャーカードを回収できるので、相手はこれに除去呪文を使ってもカード枚数的に損となります。2枚あれば相打ちブロッカーとしてえんえん回転させることもできる頼れるカードですね。

《バントの全景/Bant Panorama》
《エスパーの全景/Esper Panorama》
《グリクシスの全景/Grixis Panorama》
《ジャンドの全景/Jund Panorama》
《ナヤの全景/Naya Panorama》
 簡単に必要な基本土地を持ってこれるお手軽な土地です。2色や3色のデッキを作りたいけどマナを揃えるための土地が高くて手に入らない、といったときには役に立ってくれるでしょう。

 これでカジュアルコモンは終了です。続いてカジュアルアンコモンへ。

カジュアルパワーカード−アンコモン

《グリクシスの戦闘魔道士/Grixis Battlemage》
 ライブラリーを通常の2倍掘り進める青能力は、過去のトーナメントでも使われている実績のある能力です。枚数こそ増えませんが、選択肢が相手の2倍と考えれば有利なのは間違いありません。
 いつでも役に立つ青能力と比べると、赤は相手がブロッカーを出していて、かつこちらが攻撃クリーチャーを準備していて、1体をブロックに参加させなくすることで攻撃に行けるという条件でしか使わないのでちょっと寂しいですね。

《ジャンドの戦闘魔道士/Jund Battlemage》
 黒能力は膠着状態やとどめに使えますし、緑能力は1マナでトークンを生産できるので盤面でのアドバンテージを得やすく、この3色が出るデッキに単純に入れても役に立ちます。
 手軽かつ継続的にトークンを必要とする何かしらのコンボ・シナジーデッキや、過去の5色黒単デッキや5色緑単デッキのような、クリーチャーをベースにした対応タイプのデッキが完成すれば、化ける可能性はあると思います。

《ナヤの戦闘魔道士/Naya Battlemage》
 白能力がタッパー能力なので、少なくともクリーチャー戦で役に立つことは間違いありません。5色緑単的デッキとの相性もよさそうです。
 赤能力はあまりインパクトが無いので、3/3のクリーチャーに使ってパワー5にしてボーナスを受けるような組み合わせが必要ですね。

《鼓声狩人/Drumhunter》
 パワー5のクリーチャーを出しておけばカードを毎ターン1枚引けるというのは実に強力です。コモンにもパワー5以上のクリーチャーは多いので、お手軽に追加ドローを楽しめるでしょう。

 続いて2色のアンコモン。1種類だけです。

《猛きセロドン/Bull Cerodon》
 6マナ5/5警戒速攻と、主力クリーチャーとしての存在感は抜群です。警戒があるので攻撃にも防御にも5/5というサイズに頼れますし、速攻をうまくつかえば相手のダメージレース計算を大きく狂わせることができます。
 先制攻撃や再生など、サポートするカードと一緒に勝ちを目指しましょう。

 そして3色のアンコモンです。

《塔のガーゴイル/Tower Gargoyle》
 4マナ4/4飛行というスペックは、4ターン目に出せばそのままゲームに勝てるほどの性能です。回避能力持ちのパワー4は3色を揃えるだけの価値があります。エスパーデッキの主力として大いに活躍してくれるはずです。

《ナヤの魔除け/Naya Charm》
 クリーチャーを除去したいときは3点火力、もう一度使いたい呪文があれば墓地から手札に回収、そしてクリーチャーのにらみ合いになれば相手のクリーチャーだけをすべてタップしてゲームエンド。状況に合わせて効果を選べる魔除けは色があっていれば4枚投入して問題ないレベルです。

 これでカジュアルゲームでのパワーカード予想は終了です。次からはトーナメントシーンで見かけることになるのではと予想しているカードを紹介します。当然、カジュアルシーンでも強力なカードが多いですが、「環境対策専用カード」としての役割を期待するカードのみが例外となります。

トーナメントクラスカード−コモン

 まずは単色のカードからです。とはいっても3色推奨のものもあります。

《圧倒する静寂/Resounding Silence》
 通常のプレイが4マナとやや重いですが、攻撃クリーチャーをゲームから取り除けるので《復讐の亜神/Demigod of Revenge(SHM)》のような墓地に落としたくない攻撃クリーチャーに有効です。
 そして8マナ3色サイクリングで2体の攻撃クリーチャーをリムーブしつつカードを1枚引くというのはかなりのカードアドバンテージになります。何より重要なのは、バントカラーはコントロールに向いている色だという点です。つまり、8マナは現実的なマナだと言えます。ナヤカラーのコントロールが登場すれば間違いなく採用されるでしょう。

《聖域のガーゴイル/Sanctum Gargoyle》
 墓地のアーティファクトを回収しつつブロッカーを展開でき、たまに飛行でアタックもできるというシナジー重視のクリーチャーです。
 回収して再利用、という動きはコントロールのような遅めのデッキに似合いますが、ソーサリーやインスタントではなく2/3クリーチャーであるという点に意味があります。ブロックにまわることで展開の遅れを食い止めてくれるからです。
 《災いの砂時計/Scourglass(ALA)》を使いまわすようなデッキならば大いに役立ちますし、そこまで言わずとも《急使の薬包/Courier's Capsule(ALA)》や《処刑人の薬包/Executioner's Capsule(ALA)》を戻すだけでも効果的でしょう。
 あとはエスパーデッキの存在が許される環境になるかどうかだけです。

《祓い士の薬包/Dispeller's Capsule》
 置いておける《解呪/Disenchant(TSB)》です。白は緑に役割を譲ってからアーティファクトを壊せるときと壊せないときがありますが、これはエンチャントもアーティファクトも破壊できます。
 設置コストが安いので序盤に置くもよし、後半に出したいときもほかのカードの展開をあまり妨げません。また、3マナかかるとはいえ能力による破壊なので、カウンター呪文で妨害されないのもメリットですね。

《忘却の輪/Oblivion Ring》
 これについてはローウィンで登場してすでに実績があるので予想ではないですね。
 使いやすさは抜群です。白単、白緑、青白などのデッキが登場すればメインやサイドに搭載されるでしょう。

《圧倒する波/Resounding Wave》
 通常のプレイでもバウンスは色々と活躍してくれるので意味がありますし、8マナ3色サイクリングで2枚戻しつつカードを引けるのは試合の流れを大きく変えてくれます。コントロールやパーミッションに向いている色なので序盤と後半で使い分けできる意味も大きいでしょう。

《急使の薬包/Courier's Capsule》
 置いておくコストが2マナ、カードを2枚引くためのコストが2マナ。使いやすさと効果の強さが見事に同居しています。
 青がらみのコントロールやパーミッション、あるいはコンボデッキで十分に出番があるでしょう。

《処刑人の薬包/Executioner's Capsule》
 置いておける《闇への追放/Dark Banishing(9ED)》が弱いはずはありません。再生は許してしまいますが、その分コストを分割して支払えるようになっています。起動コストの軽さも魅力です。黒がらみならばビートダウンでもコントロールでも使えると思います。

《圧倒する雷/Resounding Thunder》
 3マナ3点インスタント火力の時点で及第点ですが、それだけでは《炎の投げ槍/Flame Javelin(SHM)》には見劣りしてしまいます。
 しかし8マナ3色サイクリングによって、カウンターされない6点火力をうちつつカードを1枚引けるので、決め技として十分な効果があると思います。普段の色拘束が低いこともメリットです。この3色を出せるビッグマナのようなデッキなら居場所があるかもしれません。

《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
 2マナでカードを1枚引きつつ1/1クリーチャーを場に出せるので、コンボ的なデッキのパーツとして可能性が見出せます。
 個人的には《暴走するヌー/Stampeding Wildebeests(10E)》が好きですが、貪食のような能力とも十分にかみ合うはずです。

《帰化/Naturalize》
 《クローサの掌握/Krosan Grip(TSP)》がスタンダードで使えなくなった以上、緑のエンチャントやアーティファクト対策の候補として当然選ばれるでしょう。《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman(10E)》や《エルフの呪詛狩り/Elvish Hexhunter(SHM)》との勝負ですね。

 続いて2色のコモンです。

《妨げる光/Hindering Light》
 カウンターしつつカードが引ける呪文は昔から強かったのでこれにも可能性があります。こちらを狙った呪文しか打ち消せませんが、白青のクロックパーミッションのような構造のデッキでの出番が見込めるはずです。あるいは単純に白青のパーミッションのサイドボードあたりに準備しておいて、相手が除去呪文多めならフィニッシャーを守るために使ったり、土地破壊呪文を打ち消したり、本体火力を打ち消したり……。

《苦悶のねじれ/Agony Warp》
 青黒のデッキに投入すれば1体のクリーチャーに-3/-3する呪文。この時点で2マナとして十分な効果を持ちますが、これを青黒のクリーチャーデッキに投入すれば2マナと1枚のカード、そして2体のクリーチャーで相手のクリーチャー2体を除去する呪文になる可能性が見えてきます。
 フェアリーデッキの《名も無き転置/Nameless Inversion(LRW)》には《人里離れた谷間/Secluded Glen(LRW)》をアンタップ状態で出すという役割もありますが、環境次第では《苦悶のねじれ》の出番も十分ありえるのではないでしょうか。

《ゴブリンの死の略奪者/Goblin Deathraiders》
 2マナのパワー3クリーチャーがゴブリンデッキに入らない理由はまったくありません。ローウィンのゴブリンカラーと同じという点も後押しになるでしょう。
 タフネスが1なので後半はトランプルを使った特攻も視野に入れつつ、《有象無象の発射/Fodder Launch(LRW)》なんかもありえるかもしれません。

《ヴァレロンに仕える者/Steward of Valeron》
 3ターン目に攻撃しつつ、その後に呪文のプレイを助けることができる非常に白緑向きなクリーチャーです。
 2マナ2/2警戒マナ能力とシンプルに完成されていて解説の必要がなさそうです。

 あとはコモンアーティファクトになります。

《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
 墓地対策アーティファクトは作られるたびに徐々に強くなりますね。ドローになるので無駄にならないところが利点です。
 《目覚ましヒバリ/Reveillark(MOR)》が新しいデッキ構成を編み出したときが出番になるでしょう。

《バントのオベリスク/Obelisk of Bant》
《エスパーのオベリスク/Obelisk of Esper》
《グリクシスのオベリスク/Obelisk of Grixis》
 緑白青、白青、白青黒、白黒、青黒、青黒赤、青赤、黒赤という色の組み合わせは、コントロールが組みやすい色です。そしてコントロールには時としてマナ加速が必要とされます。そうなれば出番はあるはずです。

 そして最後の項目、トーナメントレベルのアンコモンです。

トーナメントクラスカード−アンコモン

 まずは単色カード。

《印章持ちの聖騎士/Sigiled Paladin》
 2マナ2/2先制攻撃賛美なので、攻撃するときに3/3先制攻撃になれます。そして相手がふたまわり大きいクリーチャーを出してきたら、先制攻撃で守りを固めつつ賛美でほかの攻撃クリーチャーを強化できます。
 キスキンではないウイニーが生まれれば出番があると思いますが、賛美を生かすためには数で押せないときの回避能力持ちが相棒として欲しいところですね。

《蔓延/Infest》
 これも過去に実績のあるカードです。
 3マナで小型クリーチャーを一掃できるので、ウイニー系デッキの対策になるほか、自分でファッティクリーチャーを入れるビートダウン系のデッキでも投入可能です。黒メインのデッキかサイドボードで出番があるでしょう。

 続いて2色のカードです。

《クァーサルの伏兵/Qasali Ambusher》
 2/3到達クリーチャーを、「マナを支払わずに」「インスタントタイミングで」プレイできるというのは、そのテキストを見たときに感じることよりもはるかに強いです。
 1ターン目に《森/Forest(ALA)》と《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves(10E)》、2ターン目に《平地/Plains(ALA)》と《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》を出した上、相手が適当な2/2飛行あたりで攻撃してきたら突然《クァーサルの伏兵》を出して返り討ちにしてしまえるというのは恐ろしい展開速度です。次のターンに《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege(SHM)》を出せば11点アタックが実現できてしまいます。
 単純に突然現れるブロッカーとして登場するだけでも戦闘トリックとして優秀ですし、到達を持つので《苦花/Bitterblossom(MOR)》から登場するトークンをブロックできるのも嬉しいところです。
 ただ条件として相手のクリーチャーが攻撃してくる必要があるので、メインよりはサイドボードのほうがいい位置かもしれません。

《屍からの発生/Necrogenesis》
 ほかの墓地対策カードと違い、トークンを生むことができるのは十分なメリットです。トークンをうまく利用できるデッキのサイドボード、あるいは《戦舞いの蘇生/Pyrrhic Revival(EVE)》との組み合わせも考えられます。相手の墓地からクリーチャーカードを取り除いてしまえば、恩恵はこちらにのみありますからね。

《ジェスの浸透者/Jhessian Infiltrator》
 ブロックされないならず者がまた増えました。とはいえ色的にはならず者デッキよりも緑青のクロックパーミッションのほうが居心地がいいかもしれません。ブロックされないというのは最高のクロックではないでしょうか。

《潮の虚ろの漕ぎ手/Tidehollow Sculler》
 白黒デッキの登場を予感させるクリーチャーです。《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend(TOR)》の能力に同じ2マナでありながら2/2のボディ。色拘束上白黒デッキでしか使えませんが、邪魔な呪文を取り除きつつ殴るという動きはある意味《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》以上の強さです。

 次は3色のアンコモンです。

《バントの魔除け/Bant Charm》
 クリーチャー1体をライブラリーの一番下に送る白効果が強いです。リアニメイトや墓地利用、頑強対策になり、再生持ちや破壊されないクリーチャーにも効果があります。そして対象の制限が無い安定感が素晴らしいです。
 青効果のインスタント打ち消しや緑効果のアーティファクト破壊は3マナの効果としてはやや見劣りしますが、この3つから選べる柔軟性は十分に構築トーナメントレベルでしょう。

《エスパーの魔除け/Esper Charm》
 白効果で《苦花/Bitterblossom(MOR)》を破壊できます。メインに入れておけるカードでそれができるというのが利点です。
 青効果の2枚ドロー、黒効果の2枚ハンデスはどちらも3マナインスタントとしては色拘束を考えなければ十二分の効果があるので、ドロー呪文としてエスパー色デッキに4枚投入して差し支えないでしょう。

《グリクシスの魔除け/Grixis Charm》
 黒効果の-4/-4が強く、《アッシェンムーアの抉り出し/Ashenmoor Gouger(SHM)》のように《恐怖/Terror(10E)》が効かないクリーチャーを同じマナで処分できます。またパーマネントなら何でもバウンスできる青効果も安定感があります。この2つを選べるだけで十分お釣りが来るでしょう。
 赤効果は味方のクリーチャーを並べないと意味が無いので、この3色でかみ合うデッキが作れれば面白そうです。

《ジャンドの魔除け/Jund Charm》
 インスタントでクリーチャーにオール2点の赤効果はフェアリーに効果的です。黒効果の墓地のカードをリムーブも墓地利用デッキ対策になります。緑は単純にクリーチャーを強化してもいいですし、《マイコロス/Mycoloth(ALA)》のように+1/+1カウンターに意味があるカードと組み合わせてもよいです。やや環境に左右される感じではありますが、十分な強さでしょう。

《ロウクスの戦修道士/Rhox War Monk》
 白緑ビートダウンは昔からほかのビートダウン、特に赤緑に相性がよいクリーチャーデッキです。なぜなら、ライフを回復しつつクリーチャーを展開できるので、ダメージレースで圧倒的に優位に立てるうえ、相手が息切れするからです。
 青を足す必要はありますが、《ロウクスの戦修道士》もそれを助長する高性能クリーチャーとしてバントカラーでの出番が期待できます。
 《神格の鋼/Steel of the Godhead(SHM)》や《大霊の盾/Shield of the Oversoul(SHM)》、《超者の意向/Favor of the Overbeing(EVE)》との相性が非常に良いので、リスクに挑戦してみる価値もあるかもしれません。

《芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax》
 3マナ3/3ビートダウンクリーチャーを除去すると1/1トークン3体で攻撃されてしまう謎のアドバンテージクリーチャー。
 赤黒トークンデッキのようなトークンを生かすデッキに搭載することでかなりのアドバンテージを確保できるはずです。

《長毛のソクター/Woolly Thoctar》
 3マナ5/4。これは本当に人が死ぬレベルです。
 《森/Forest(ALA)》、《極楽鳥/Birds of Paradise(10E)》、《平地/Plains(ALA)》、《長毛のソクター》と出せば3ターン目から攻撃して6ターン目にゲームが終わってしまいます。
 ごく普通のビートダウンが勝つ日が来るかもしれません。できればチャンプブロックされる時用にトランプルでサポートしたいところですね。

 最後に土地です。

《海辺の城塞/Seaside Citadel》
《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》
《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》
《野蛮な地/Savage Lands》
《ジャングルの祭殿/Jungle Shrine》
 緑白青、白青、白青黒、白黒、青黒、青黒赤、青赤、黒赤がコントロールを組みやすいというのはオベリスクの項目で書いた通りです。タップインで登場する以上、展開の早いデッキでは使いにくい面は否定できません。
 では《野蛮な地》と《ジャングルの祭殿》はどうなのでしょうか。《野蛮な地》から出る対抗色の黒緑という組み合わせとしては、《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes(10E)》《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire(EVE)》や《光り葉の宮殿/Gilt-Leaf Palace(LRW)》というライバルがいます。エルフデッキならば当然アンタップ状態で出せる宮殿を選ぶでしょう。しかしエルフではない黒緑、例えば過去のザ・ロックのようなコントロールに偏ったデッキならばタップインを許容できそうですので、安く手に入りダメージを受けない《野蛮な地》でもよいでしょう。あるいは黒赤+黒緑のコントロールというものが登場する可能性もあります。
 では《ジャングルの祭殿》はというと、まず白緑の土地は《低木林地/Brushland(10E)》と《樹木茂る砦/Wooded Bastion(SHM)》だけです。赤白は《古の円形劇場/Ancient Amphitheater(LRW)》がありますが、実績があるとはいえ巨人デッキでしか差が出ないので、色マナ安定のために使われてもおかしくはありません。白緑+白赤のコントロールだってこの多色環境では否定できません。そう考えていくとすべてのアンコモン土地に出番があるはずです。

 以上、安く手に入るであろう、強さを期待できるカードの紹介でした。これらのカードがあなたのデッキに居場所を見つけてあなたを助けてくれれば幸いです。


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